
変動金利神話に変化が訪れている
これまで住宅ローンを選ぶ際、多くの人が変動金利を選択してきました。その理由はシンプルで、固定金利よりも金利が低く、毎月の返済額を抑えられるからです。
実際、日本では長年にわたって超低金利政策が続いており、「変動金利は安いもの」という認識が広く浸透していました。住宅ローン利用者の多くが変動金利を選んでいたことからも、その人気の高さが分かります。
しかし近年、その状況に変化が見え始めています。日本銀行による金融政策の見直しや利上げの影響を受け、これまで低水準だった変動金利にも上昇の動きが出てきました。
固定金利の上昇ばかりがニュースになりますが、実は変動金利利用者も決して他人事ではない状況になっているのです。
なぜ変動金利が上がっているのか
変動金利は主に金融機関が設定する短期金利の影響を受けます。
これまで日本銀行は景気を支えるために低金利政策を続けてきました。しかし、物価上昇や経済環境の変化を受けて、段階的に政策金利の引き上げが進められています。
銀行は日本銀行から資金を調達するコストが上がるため、その影響を住宅ローン金利にも反映させるようになります。
その結果、多くの金融機関が変動金利の見直しを実施しています。
これまで「0.3%台」「0.4%台」といった超低金利で借りられていた住宅ローンも、現在では0.7%から1%前後の商品が増えています。
まだ固定金利ほど高くはありませんが、数年前と比較すると確実に上昇していることは間違いありません。
すでに住宅ローンを組んでいる人への影響
変動金利で住宅ローンを利用している人の中には、「すぐに返済額が増えるのではないか」と不安を感じている方もいるでしょう。
ただし、多くの銀行では「5年ルール」と「125%ルール」という仕組みを採用しています。
5年ルールとは、金利が上昇しても一定期間は毎月の返済額を変更しない制度です。また125%ルールとは、返済額を見直す際も、前回の返済額の125%を超えて増額しない仕組みです。
これにより急激な返済負担の増加は抑えられます。
しかし注意したいのは、返済額が変わらなくても利息の割合が増えることで元金の減りが遅くなる点です。
つまり、毎月の支払額は同じでも、結果として総返済額が増えてしまう可能性があるのです。

これから住宅を購入する人はどう考えるべきか
住宅購入を検討している人にとって、固定金利と変動金利のどちらを選ぶべきかは大きな悩みです。
変動金利は依然として固定金利より低く、当面の返済負担を軽くできます。一方で、今後さらに金利が上昇した場合は返済総額が増えるリスクがあります。
固定金利は契約時の金利が完済まで変わらないため安心感がありますが、その分、借入当初から金利が高めに設定されています。
どちらが正解というわけではありません。
収入に余裕がある人や繰り上げ返済を積極的に行える人は変動金利との相性が良いかもしれません。一方で、将来の返済計画を確実に立てたい人は固定金利の方が安心できるでしょう。
大切なのは、目先の金利だけで判断しないことです。
金利上昇時代の住宅ローン選びとは
長年続いた超低金利時代は、大きな転換点を迎えています。
フラット35の金利が3%を超えたことが話題になりましたが、変動金利も確実に上昇傾向にあります。住宅ローン利用者にとっては、これまで以上に金利動向を意識する時代になったと言えるでしょう。
住宅ローンは数十年にわたって返済を続ける大きな契約です。そのため、現在の金利だけではなく、5年後、10年後の家計状況も考慮して選ぶ必要があります。
また、住宅価格そのものも上昇傾向にあるため、借入額を必要以上に大きくしないことも重要です。
これから住宅を購入する人も、すでに住宅ローンを利用している人も、一度自身の返済計画を見直してみてはいかがでしょうか。
金利上昇のニュースに振り回されるのではなく、自分の収入やライフプランに合った選択をすることが、これからの住宅ローンとの上手な付き合い方になるでしょう。


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